冷房の効か無い灼熱ラブホテルからブチ切れる女性社長のご相談

こんにちは!
ラブホテル・レジャーホテル経営の専門コンサルタント(株)スパイラルの平田です。
今日は、ラブホテルでは良く起きる「設備問題」についてお話します。
便利な「諸設備」も使い方を誤ると問題が起きるので要注意なのです。
では、始まり、始まり~

とある築14年の某ホテルの女性オーナーさんから
「冷房が壊れてしまい困っている」
とのご相談です。

このラブホは好立地と女性社長の細やかなサービスが功を奏して順調な売り上げを維持していると聞いていました。
しかし真夏のある日に冷房が停止し、館内は昼間には四十度を優に越すような状態になり営業が続けられなくなって、修理を依頼しようとしましたが業者の連絡先がわからず、私に業者を紹介して欲しいそうです。 

私は彼女と面識がありましたし修理業者の紹介など簡単なことですからすぐに連絡して差し上げました。
しかし、数日が過ぎて修理業者から「先日ご紹介頂きましたホテルの冷房修理工事の件ですが、実は費用の面で御承知頂けないので、まだ何もやっていません。一応お知らせしておきます。」と電話が有り、とっくに修理は終わり営業も再開していると思っていた私は大変に驚ました。

修理業者の話では
 あの冷房装置は定期的な検査や調整が何年も行われていない。
② 今回の故障箇所は整備不良によるコンプレッサーなどの主要部分である。
 故障部分は修理ができないので交換になる。
 交換機材の重量が大きいのでクレーンなどを使って搬入することになる。
 モーターなども交換が必要だが受注生産の為、入手には二週間ほど必要である。
 修理費用は二百五十万円程度である。
 女性社長からは費用はそんなに出せないが、すぐに営業を再開したいので工事を急げと催促されている。
 業者としては費用についてご納得いただけない限り、部品の手配さえできない。
などと言う事でした。

そこで私は、女性社長に電話してみると、ホテルは冷房が効かないから、翌日の午後自宅に来て下さいとの事でした。

ご自宅に伺うと、眼を見張るような家具調度品の数々に囲まれて彼女は機嫌よく迎えてくれましたが、とても修理費用が払えない状況には見えません。

宮殿のような応接セットに案内された私は、早速修理費用について聞いてみると、
 あの装置は、10年以上はもつと新築時に業者から聞いた。
 壊れたのだから直せばいいのであって交換すると高くなる。
 休業していて損害が出ているのだから修理費用は安くなくては困る。
 修理費が250万円と高額で、業者が負けてくれない。
 修理に2週間かかるので損害(1日約50万円)が出る。
と言う事なので「既に1週間で350万円が消え、このままでは、あと700万円が消え、修理代金の250万円が更に必要になると言い、新しい冷房装置の設置を提案しました。

実は、この装置は新品でも四百万円程度で買えるのです。
新品はすぐに手に入れられるし、修理の時間もそれ程かからない、その上機械の寿命は延びるのです。
私に説得されてしぶしぶで新品を購入することを納得した彼女でしたが・・・
実は現金が無いので、
リース契約をセットして欲しい」と申し出がありました。

あの豪華な家具調度品に囲まれた室内からは想像できない話なので、きっと「リースによる経費計上が目的だろう」と勝手に了解しリースによって工事は終了したのですが・・・

このホテルは設備の定期検査や調整を行っていないばかりか、休業による損害を補填する保険にも加入していないようでしたし、支配人や店長の姿を見ません。
悪い予感がした私が改めて彼女に聞くと、やはり数年前から彼女はヨーロッパ家具に凝り、初めは何万円かのお皿などを集めていたのですが、集めたお皿などを入れる家具も買うようになり、今ではテーブルやソファーばかりかベッドなども揃え、費用も百万円単位をつぎ込む様になり、コレクションに凝った彼女は、保険やメンテナンスにかける費用ばかりか、支配人の人件費も全て家具の購入費に使い、ホテルによる収益の殆どまで使い果たしていました。

彼女は、ボイラーも冷房装置も、ずっと壊れないと思っており、客室の状態もかなり汚れていましたが、支配人が居ないので誰も社長には報告しておらず、リフレッシュ工事の計画も有りません。
そこで彼女には、このまま無軌道にしていると、
ホテルの収益が急激に悪化するであろう事。
設備点検をしておかないと、何が起きるかわからず大変に危険である事。 
を話しました。そして、
保険は絶対に必要な事。
支配人を雇い、ホテルの状態を常に把握しておく事。
そろそろリフレッシュ工事が必要な事。
などを指導したところ、その後も事件や事故はありましたが、いずれの場合も設備管理会社が速やかに対応し大事には至らず、メンテナンス契約でほとんどが賄われており大きな資金は掛からず、経営は以前に比べ格段に安定しました
株式会社スパイラル 平田 壯吉 代表取締役

平田 壯吉

スパイラルは、運営請負や人員派遣を行わず、ラブホテル経営相談一筋に、多数の繁盛ホテルを誕生させて参りました。
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