パート達が規律を守らず指示も通らずに困っているラブホテル経営者からのご相談

こんにちは!
ラブホテル・レジャーホテル経営の専門コンサルタント(株)スパイラルの平田です。
今日は、ラブホテルでは良く起きる「規律崩壊」についてお話します。
在って当たり前に見える「社内規律」も使い方を誤ると問題が起きるので要注意なのです。
では、始まり、始まり~

とある、東北地方の都市部に位置するラブホテルの経営者から、
「パートやバイト達が社内の規律を守らないし、会社の指示もすぐに立ち消えてしまって、何をするにも捗らない。」との相談です。

当該のラブホテルに伺って、社長室で女性社長から詳しいお話を伺うと
「ずいぶん前から、言う事を聞かないパートは居たのですが、最近になって殆どの従業員たちが、会社の決まり事とか指示を守らなくなってしまって、一応仕事はするのですが、
退勤時間や休憩時間を勝手に変えたり、
清掃の順序や時間も変えちゃったりして、
とにかくルールが守られなくなってしまって、一応気が付くたびに注意はするのですが、
それもすぐに元に戻るし、どうしたら良いのでしょうか?」と言うお悩みでした。

「そんな話は聞いたことが無い」「まさかそんなことが起きるのか?」と負い方も多いと思いますが、ニュースにもなった大きな社会問題となった偽装問題を下記に羅列してみます。

・2021年、  日立Astemoでは、山梨の工場と、福島の工場で不正が判明。
・2022年3月 、日野自動車にて排出ガス規制の対象であるエンジンにて不正行為。
・2022年3月、 日本ファンオールにて、承認されていなかった部品を使用した不正。
・2015年9月、 フォルクスワーゲン社は、排出ガスを低減させる装置で不正ソフトを使用。
・2017年11月、東レハイブリッドコード社では、補強材の品質データの書き換えが判明。
・2018年11月、日立化成では、バックアップ電源用の鉛蓄電池で、品質検査データを改ざん。
・2017年2月 、東洋ゴムでは、4度目となる不正な検査(してない)が判明。
・2015年11月、パークシティLaLa横浜の建設では、杭が支持層に届いていないとが判明。
・2016年5月、 東亜建設工業は、羽田・福岡・松山の空港工事で、薬液の注入量を改ざん。
・2017年11月、三菱電線工業、三菱伸銅、三菱アルミニウムは、要求基準を満たさず出荷。

この頃に発覚した、神戸製鋼の品質検査データが数十年も昔からデタラメだったとは驚かされましたし、日産の新車検査も資格のない従業員がしていた事案も昔からだそうです。
最近も、ダイハツの海外向けモデルで不正が発覚 非正規の部品を使って側面衝突試験を実施していたことも発覚しました。

でも、なんでこんな事がまかり通って来たのでしょう?普通に考えれば誰から
「これはダメだ」と声をあげる筈です。
でも、数十年もの間で誰一人この問題に異を唱える人はいなかったのです。
解らなかったと言う事は有りえません。
大問題だと知っていながら、相当数の人達が全員で黙殺し隠蔽したのです。
何故でしょう?

原因は・・・・「守れないルール」に有ります。
一般的には「ルールが有るなら守ろう」となる筈です。

それがそうならないのには、このルール自体に無理が有ったのです。
神戸製鋼の場合は、品質検査合格点が高すぎる数値を要求していたのです。
とても、日常的な生産ラインではクリア出来ない数値を要求していたのです。
理由は「弊社はコレだけの高度な製品が作れます」と宣伝販売していたからです。
言ってみれば「出来もしないレベルの製品を売っていた」事になります。

当然ですが、工場では「そんな物は出来ない」事を知っています。
でも会社は作れと言う・・・仕方がないから「できた事にする」のです。
つまり、ルールが現実的ではなかったのです。

日産の新車検査問題も同様です。
だって、工場に新車検査をする資格者が居ないのです。
コストダウンする為に、その人材はとうの昔に生産現場に回されていたのです。
検査資格を得る為の社内研修も試験も行っていないのです。
正式検査員がいないのに、検査が出来る筈はありません。

でも、会社は「コストを抑えて新車を増産しろ」と言います。
なので現場は・・・仕方がないなあ「やった事にしよう」となるのです。
こちらも、「出来もしないルール」が独り歩きした結果でしょう。

そこで、この女性経営者に「具体的にスタッフが守らなければならないルールを教えてください。」と聞いてみました。
すると「まとめて書いているものは無いのですが、だいたいの事は書いて貼ってあります」とのお返事でしたので、今度は「それって、何処に貼ってあるんですか?」と聞きましたら、「従業員用の休憩室やリネン室とかに貼ってあって、何時でも見えるようにしてあります。」との事なので、早速拝見しに行ってみました。

すると、確かに貼ってありました。それも、かなりの量です。
正確には数えませんでしたが、ざっと見ても30枚以上、中には重ねて複数枚を纏めてあるものも有ります。
良く見ると、既に紙の色が変わっている物もあるので、相当前から貼って有るのでしょう。
内容も、割と細かい字でしっかりと言うかびっしりと書いてあります。
これ、読む気にならないなぁ。
読んでも守れるのかなぁ?」と言うのが平田の印象です。

きっとあの女性社長は、生真面目でしっかりとした方なのでしょう。
その上パソコンも得意で文字を書くのもお嫌いではないのだと思います。

でも、ルールが多すぎます。
それに、ルール自体の関連性とか重要性などの分類が無くて、ただ羅列されているだけです。
これでは、書いた社長は理解できても、読んだスタッフには覚え切れないでしょうね。
また、もうとっくに期限の過ぎた指示書も沢山張ったままで、これでは何を守ればよいのか、あるいはどの指示を実行すればよいのかさえはっきりしません。

そこで、この女性社長には
今の掲示物は、一旦、全部を外して

ルールを勤務時間に関する事、作業に関する事、服装に関する事、接客に関する事、その他の事も、体系的に分類し整理する事。

その分類整理したルールは、色々な場所に貼るのではなく、ひとつのファイルに分類別にまとめて保管して、誰でもいつでも手に取って見られるようにすること。
※出来れば、目次も作るとさらに見やすくなります。

古い指示書や変更されたルールに関する記述はすぐに取り除く事。

等を指導しましたところ「アラ、全然、気が付かなったわ。直ぐにやってみるわ。」とご納得頂きましたので、きっと今頃は社内規律も復活したでしょう。

あの状態では、悪気は無くてもルールが徹底されないのは当然でしょう。
この指示で、たいていの場合は、これで社内規律は維持(回復)されるのですが、たまにそれでも規律は乱れていくことが有ります。

それは、〔決めたルールをやってみたら、努力しても守れないことが分かっても、ルールを変えない時〕に起こります。
それを放置すると、守れないルールの存在が「ルールは守らなくても良い」となって蔓延するからです。

なので、それを防ぐ為に、最初に二つのルールを作り、それを守ることです。
そのルールは簡単で明瞭です。
A:ルールを作ったら絶対に守る(守らせる)。
B:できないと判明したルールは必ず改定する。

たった、これだけです。
でも、これって意外に難しいのです。
しかし、非常に大事な基本的なルールなので、必ず守るようにしましょう。

こちらのルールも、
⑤ルール施行後に、不可能だと判明したルールは、可能となるように改定する。
として、ご指導申し上げましたのは言う迄も有りません。

その後、このラブホテルで、同様の問題は発生しなくなりました。
株式会社スパイラル 平田 壯吉 代表取締役

平田 壯吉

スパイラルは、運営請負や人員派遣を行わず、ラブホテル経営相談一筋に、多数の繁盛ホテルを誕生させて参りました。
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