ラブホテルの商品って何だろうと悩んでしまった社長からのご相談

こんにちは！
ラブホテル・レジャーホテル経営の専門コンサルタント（株）スパイラルの平田です。
今日は、ラブホテルでは良く使う「商品」についてお話します。
簡単そうに見える「商品」も考え方を誤ると問題が起きるので要注意なのです。
では、始まり、始まり～

とある、大都市の商業地区に位置するラブホテルの社長様から、
「ラブホテルが取り扱うべき、本当の商品って何だろう？」との相談です。

ホテル街の端にあるラブホテルに伺って、悩んでいる社長様から詳しいお話を伺うと
「ラブホテルが取り扱うべき基本的な商品っていうか価値って言うか、そう言う物って何でしょうか？時間？空間？雰囲気？清潔感？でもそれだと何処のラブホテルでも一緒だよねぇ。何かを見落としているような気がしますが、分からなくて・・・・」と言うお悩みです。

世間には、こんなケースは珍しく有りません。
例えば、駅の立ち食い蕎麦店などは、何がウリ（商品）なのでしょう？
この手のお蕎麦がそれ程美味しいと感じた事は有りませんよね。
だからと言って、量が多いかと言えばそれも違いますし、すごく安いのかと言えばそうでも有りませんね。
何がウリ（他にはない価値とか商品）なのでしょう？

他にも、ウリが解りにくいビジネスモデルとしては、ゴルフ場とかカラオケ屋、ボーリング場なども、そうかもしれません。
何しろ、お金を払うのに、持ち帰る商品が無いのですからね。
でも、これらは「楽しむ」のが商品の様な気がしますよね。
しかし、立ち食い蕎麦がそれ程「楽しい」のかと言えば、それも違いますし、普通のお蕎麦屋さんに比べても立って食べるのは決して快適だとは言えません。

自分は、少し前まで、東海道新幹線の名古屋駅で《ホームで食べる立食いきしめん店〔住よし〕のかき揚げきしめん》が好きで、途中下車までして、混んでいるから外に並んでまで、食べる事が有りました。
寒い時期は最高に美味しかった思い出が有ります。
でも、これにしても、もっと美味しい〔きしめん〕は他でも食べられます。

昔から「時は金なり」といいます。
どうやらこの諺は西洋の「Time is money.」から訳されたようで、
「時間は貴重なものであって、金銭と同じように大切で価値があるのだから、浪費するものではないという戒めだそうです。

簡単に言えば「時間は無駄に費やすものではなく、有効に使うべきである」と言う事ですね。
でも、本当にこの諺をご理解されている方は少ない様です。

私も口癖のように「速さは品質です」と言いますが、これともよく似ています。
言ってみれば「時間」は「金銭」そのものなのです。
金融なら、一日過ぎればそれだけ金利がかかりますが、その事でなくても
「時間=金銭」なのです。
あの牛丼屋やハンバーガーショップはすぐに食べられるのが売りです。
ファスト（早い）フードが、10分も15分もかかっていては商売になりません。

同様に、駅の立ち食い蕎麦屋でもそうでしょう。
味もさる事ながら、とにかく早く食べ終わらない事には電車に乗り遅れてしまいます。
その為に、気が利いた立ち食い蕎麦屋では、一般の蕎麦屋と比べて少しだけ汁の温度を下げておいて、食べる時間を短縮できるように工夫するところもあるようです。

そうなのです。【速さ】が時間を生んで【売り物】になっているんです。
同じ価格の商品なら、「早く手に入る方に価値がある」のです。
だから、注文当日に配達されるネット販売業者が持て囃されるのでしょう。

ラブホテルと言う商売でも、ココは変わりません。
清掃も案内もルームサービスも【速さ】が価値を生むのです。
他にも「お風呂にお湯が貯まるまでの時間」」や「髪の乾く時間」など、ラブホに求められる【速さ】は沢山あります。

もちろん、駐車場にお車を止めて頂き、お部屋にスムーズにご案内するところから、お帰りの会計迄がスムーズに無駄な時間をお掛けしないで済ませる配慮が必要なのです。
もしかしたら、それよりずっと前から、そのラブホテルに向かうのに無駄のないルートを示す事も商品の一部なのかもしれませんね。

もっとも、ラブホテルとは最初から「ここに来れば、すぐに目的が果たせる」と言う施設だったのかもしれませんね。

なので、この混乱してしまった社長には、立ち食い蕎麦の例を挙げて、
「簡単に来ることが出来て、すぐに部屋まで行けて、ルームサービスもお待たせせず、会計もスムーズに済ませて、さっさと帰れる。淀みのないサービスが商品です。」とお答えしましてご納得頂き、ご自身のラブホテルで、お客様をお待たせしている所は無いかと点検して改良をお進めになったそうです。
そうするとやっぱり、内装も料金も何も変わらないのに、組数が増加して増収につながったと、喜んで頂けました。