従業員が働いてくれないと嘆くラブホテル経営者からのご相談

こんにちは!
ラブホテル・レジャーホテル経営の専門コンサルタント(株)スパイラルの平田です。

今日は、ラブホテルでは良く起きる「労働問題」についてお話します。
当たり前に感じる「就業問題」も使い方を誤ると問題が起きるので要注意なのです。
では、始まり、始まり~

とある、地方都市の商業地域に位置するラブホテルの経営者から、
「ちっとも従業員がまともに働いてくれず、
   仕事にならない。」

との相談です。

ホテルに伺って、経営者からお話を伺うと「従業員達がいつの間にかサボりを覚えてしまい、何回注意しても言われたことを守らないし、掃除にも時間ばかり食う様になって困っている。それも一人や二人ではなく、ほぼ全員がサボるからクビにすることも出来なくて・・・」とのお話でした。

ほぼ全員が「オサボリ」するって話は、ずいぶんと酷い状態です。
とは言え、実際に地方では最低賃金以下で違法に働かせているラブホテルもちらほら見かけますから「ここも、きっと時給が安いのではないか?」と思いました。
ですが、そんな事は有りませんでした。時給は近隣同業者とほぼ変わりません。

シフト表を見ても、特別に長時間勤務があるわけでもありません。
従業員の履歴書を拝見しても、特に変わった所も有りません。
そこで、「清掃の手順書とか作業マニュアルみたいな物が有ったら見せてください。」とお願いして、ざっと目を通しましたが、それ程変なところも見当たりません。

なので、今度は「サボるって、どんな事ですか?」と聞いてみました。
そうすると「そりゃ適当に自分勝手に、リネン室とか掃除の終わった客室でサボるんだよ。
俺が、『おい、何してるんだ?』って声かけると仕事に戻るんだけど、
全くふざけた連中だよ。」と怒っています。

そこで「そりゃあ、困ったもんですねぇ。休憩時間外にちょくちょくサボるのはいけませんねぇ。」とお答えすると
「うん?休憩時間?そんなものは無いけど?」と言われました。

●以下はその時の経営者とのやり取りです。

:「エッ!休憩時間が無いってどうゆう事ですか?」
経:「いや、ちゃんと働いた時間の時給は払ってるけどね。」
:「そうではなくて、6時間勤務なら45分の休憩ってあるじゃないですか?」
経:「ですから、ウチは6時間働けば6時間分の時給を払ってます!」
:「待って下さい。6時間以上働いたときは45分以上の休憩を与えてますよね?」
経:「ウチには休憩時間なんか無いし、働いた時間は時給を払うよ。なんで?」

アッチャー!この人やらかしてる!

やっと、原因がわかりました。
この経営者は労働基準法を理解していないのです。
労働基準法では、所定労働時間が6時間を超える場合は、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中で付与しなければならないとしています。
また、休憩は業務開始前や業務終了後に与えても労働災害を防止する観点から意味がないため、認められていません。

どうやら、この経営者は「働く時間=時給対象」としか考えていない様です。
これは明らかな間違いですし、違法行為なので罰則罰金の対象です。
労働基準監督署の知るところとなれば、過去7年に遡り、退職した人を含め全従業員に未払い賃金の支払いが命じられるだけでなく罰金や場合によっては課徴金も課せられます。

なので、この規定(労働基準法三十四条一項の休憩時間付与のルール)を徹底的に指導する事になりました。

しかし、このラブホテルの問題はこれだけでは無かったのです!

●以下はその時の経営者とのやり取りです。
:「これで休憩の規定はご理解頂けましたか?」
 「これからは、ちゃんとした休憩時間を、法律を守って与えないと、ダメですよ。」
経:「わかったけど、何処で休憩させるの?客室はダメだよ。」
:「エッ?休憩室で良くありませんか?」
経:「休憩室なんかないよ。

よくよく聞いてみると、このラブホテルには従業員休憩室が無く(昔は有ったらしいけど、今は要らない物を押し込んだ倉庫になっていた)、それだけでは無く、ロッカーはあるけど着替える場所も無かったのです。
その上、更衣室が無いからと制服も支給していません。
皆自腹でのTシャツなどを着ています。

ある意味では、この、更衣室も無く、休憩室も無く、法令で定められた休憩時間も無いラブホテルで、従業員が経営者の言う事を聞かずに、勝手な場所で、隙を見て休憩しているのは当然なのでしょう。

相談してきた経営者には「先ず、すぐに労働基準法に沿った休憩時間を与える事、次いで倉庫になってしまった休憩室を復活させる事や更衣室を設ける工夫をする事、ユニフォームも支給した方が良い事」などを指導し、一部は弊社でもお手伝いして実現しました。

その後は何も相談してこない所を見ると、彼の悩みは全部解消されたようです。
株式会社スパイラル 平田 壯吉 代表取締役

平田 壯吉

スパイラルは、運営請負や人員派遣を行わず、ラブホテル経営相談一筋に、多数の繁盛ホテルを誕生させて参りました。
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