時代錯誤の社長が経営するラブホテルの御長男からのご相談

こんにちは!
ラブホテル・レジャーホテル経営の専門コンサルタント(株)スパイラルの平田です。
今日は、ラブホテルでは良く起きる「時代錯誤」についてお話します。
何処でも行われる「事業承継」も、人間関係が拗れると問題が起きるので要注意なのです。
では、始まり、始まり~

とある、観光地に位置するラブホテルの社長ご子息さんから、
「社長のやり方が酷くて、会社が壊れそうだし、
跡を継ぐ気になれない。」との相談です。

息子さんのお宅に伺って、ご子息からお話を伺うと、色々と古い体質の経営体質が見えてきました。
彼が言うには「父は、従業員に細かく煩いので、すぐに辞めていく人が多く、慢性的な人手不足ですし、業者にも見積ばかり取って中々やらない上、やる時も見積もりを値切るし、工事が終わっても色々とケチをつけて値切るものだから、最近は工事を受けてくれる業者が減ってしまった。

料金にしても
『週末に稼がんで、いつ稼ぐんだ!』
と、土日の値段を高くしたものだから前より、ずっと暇になったしまった。

このままでは潰れてしまうし、父と一緒では自分もやっていく気力もない。」との事で、これは大変な事態だと感じました。

幸い、平田が立地を検討すると、中々の好立地だと解り
「だから、こんなやり方でも、何とかやって来れたのだろうな。」と納得しました。

つまり、お父様はそれまで、祖父が経営していた頃(大正時代)のやり方しか知らず、時代が変ってもご自身の性格も相まって変化する事が出来なかったようです。
まぁそれに、なんと言っても二代目でも現社長様ですから、社内で彼のやり方に口を挟む事は、息子さんであっても難しいのでしょう。

そこで、弊社が経営改善コンサルタントとして経営介入を始める事にしました。
まず、ぐちゃぐちゃな料金システムの改善案から着手しました。
この料金システムは弊社が、長年に亘って多くの顧客様にご採用を頂いて居るもので、
・サービスタイムと宿泊の販売を廃止する。
・延長料金制を廃止する。
・週末や特別日(祭日など)の特別料金を廃止する。
・最短販売時間を1時間から、最大利用時間を15時間までとする。
・可能な限り、客室の料金を均一化する。

等と言った、斬新(変わった?)ものです。

このシステムなら、お客様が「今日は何曜日?」「今何時?」「何時まで居られる?」「この部屋は幾らだろう?」等と言った疑問を生じる事が有りません。
言ってみれば、何時に行こうが、どこの部屋を使おうが、〔何処を切っても同じ金太郎飴〕的な料金システムで、導入された弊社の顧客様にも「集客が激変した」と非常に好評なのですが・・・・。

この導入にも老後夫婦は、
「土日に稼が無いとダメだ」
「サービスタイム目当てのお客が来なくなる」
「平日の宿泊が無くなってしまう。」

と猛反対されました。

ですが、その御不満には取り合わず、
今度は「では、サービスシステムも変更しましょう。」として、
・無料モーニングサービスを廃止する。
・無料ウエルカムドリンクサービスを廃止末する。
・安いランチとディナーの販売を廃止する。
・古くて曲数の少なくなったカラオケを撤去する。

等を提案しました。

もちろん、コレも
「それじゃ、お客が来なくなる!」
大反対されますが、コレも予想通りです。
この提案には、老夫婦をびっくりさせるショック療法の様な効果が有るからです。
「エッ!そんなやり方があるのか????」
と興味を持って頂きたいのです。
でも、これだけではありません。

上記の提案に、続けて
・マットレス、敷き布団、掛布団、枕、全部を新規交換する。
・シーツ・デュベカバー・ピロケース・タオル類・ガウン類の新規交換。
・アメニティを全部見直して、適当なものに交換。
・ソファ・テーブル・クッションなどの入れ替え。

も提案しました。

もう、老夫婦は驚き切っています。当初の作戦通りです。

そして最後に・・・
本命の【経営陣の刷新】を提案しました。
つまり、事業承継を進めると言う事です。

すると、ここまで聞いていた社長が、
「驚いたよ。こんなにも俺の気が付かない事が有ったんだね。」
「まぁ、薄々は料金にしても失敗かなと思っていたし。」
「山程サービスしてもお客は増えないしなぁ。」
「かと言って何をどうすればわからんし、息子も誰も相談相手にはならんので、困ってたんだ。」

「で、何から、どうすればいいかな?」
と言って下さいました。

そこで、「息子さんは、もう十分に現場を経験されています。
私達がお支えしますから、経営権を御譲りになったら如何ですか?と伺うと、
「そうするか。ここらが潮時だな。」
とあっさり決まってしまいました。

息子さんが会社とホテルを取り仕切るようになってからは、スタッフや業者様とのお付き合いもガラッと変わり、先ほどの提案も積極的に取り入れた結果、数年で売上は倍増して地域一番店にまで成長致しました。
株式会社スパイラル 平田 壯吉 代表取締役

平田 壯吉

スパイラルは、運営請負や人員派遣を行わず、ラブホテル経営相談一筋に、多数の繁盛ホテルを誕生させて参りました。
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改善は、早く始めれば、それだけ早く効果が得られます。
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